
本ワークショップでは、数回のセッションで、ビジネスアーキテクチャを設計します。
ワークショップの内容は次のようになります。
ワークショップの結果は、エンタープライズ設計ワークショップで作成した業務一覧に追記します。
ビジネスアーキテクチャについて理解する
ビジネスアーキテクチャは、エンタープライズアーキテクチャの一要素で、ビジネスストラクチャマトリクスでいうと、顧客、製品、メンバー、パートナー、財務資産、場所、機能、活動の部分になります。

ここでは、このうち、機能と活動に関する設計を行います。
次の図は、活動領域、ビジネスプロセス、ジョブ、バリューチェーンの関係を表したものです。

これを見ると次のことがわかります。
- 事業ドメインには、複数の活動領域がある。
- 活動領域には複数のビジネスプロセスがある。
- ビジネスプロセスには、ビジネスプロセスの本質的(不変的)な流れを表すアクティビティフローがある。
- アクティビティフローのアクティビティには、アクティビティの中身の流れを表すアクションフローがある。
- アクションを実行する主体がジョブである。
アクションは、ジョブのタスク(課業)に対応する。 - 事業ドメインには、ビジネスプロセスからなるマネジメントサイクルの流れで構成されるバリューチェーンがある。
このうち、企業の活動領域、ビジネスプロセス、ジョブ、バリューチェーンは、エンタープライズ設計ワークショップで明確にしたので、ここでは、それを受けて、アクティビティフロー、アクションフロー、タスクを設計します。
アクティビティフロー、アクションフローは、UMLのアクティビティ図で記述します。
アクティビティフローを設計する
ビジネスプロセスの本質的な活動の流れであるアクティビティフローを設計します。
アクションフローを設計する
アクティビティフローを構成するアクティビティを詳細化したアクションフローをを設計します。
タスクを設計する
アクションフローのアクションをジョブのタスク(課業)として設定します。
結果は、業務一覧のジョブのタスクに記述します。
アクションを設計する
ジョブのタスクから部門のアクションを設定します。
部門のアクションは、アクションフローのアクションではなく、アクションプランを構成する要素としてのアクションです。
結果は、業務一覧の部門のアクションに記述します。
AIエージェントドリブンでBPRをする
AIエージェントを前提としてビジネスプロセスを再設計します。
AIエージェントを前提としBPRは、バリューチェーンの「価値を届ける活動(Operation)」のマネジメントサイクルのうちDoの部分が対象になります。
例えば、製品の出荷プロセスが次のような業務フローの場合を例にします。

まず、各ジョブの間の連携を構造化します。
次の図は、UMLのコミュニケーション図で、製品の出荷プロセスにおける各ジョブの連携を表したものです。

次に、各ジョブをマイクロサービスで置き換えるとどうなるか設計します。

出荷管理者、在庫管理者、品質管理者、請求管理者、会計管理者が、それぞれ、出荷管理サービス、在庫管理サービス、品質管理サービス、請求管理サービス、会計管理サービスに置き換わり互いに非同期連携していることがわかります。
